風を感じる中国語

伝えたいのに伝わらない ~ 中国語の発音の美しさに魅せられたとある学習者の語学探求

中国語を色々な教材で学んでは、中国各地のネイティブ相手に実践してみる。
そこには、教材では学びきれないリアルな中国語がたくさんあります。

日々湧き出る中国語への疑問と、ネイティブ達との交流を通じて得た情報を紹介します。
・方言、若者言葉、伝わりにくい発音の傾向と対策
・旅行先での出来事、文化交流、相互理解

jiehunlist_new_chi
中国人女性との結婚にあたり
中国で結婚の宴を楽しく過ごした
私たちは、その一方で
②中国側の戸籍を変更する
に挑戦しました。
※中国での宴の様子は過去記事で!

中国側の戸籍変更とは、
中国人の嫁である福建小妹の中国の
戸籍(居民戸口簿)中のステータス
を未婚から既婚に
変えることです。

日本側で先に婚姻の手続きを行った
私たちは、中国側で改めて婚姻自体
の届出をする必要ななく(できない)、
手続きとしては、居民戸口簿の
ステータス変更(未婚→既婚)のみ
が残っています。

今回は、この
居民戸口簿の変更
についてご紹介します。

ただし!
実はこの手続きはかなり複雑で、
トライしたものの詰めが甘く、
未達成なのです。

ですので本記事は、
私たちが当該手続きを
・どう理解して(解釈)
・どのようにやって(行動)
・どうなったのか(結果)
についての奮闘記に止まります。

正しい手続きの情報をお探しの方
には中途半端な記事ですみませんが、
うまくいかないケースとして、
少しでも参考になればと思います。

※より確実に行うためには、
行政書士事務所や代行業者に相談
するのも一つの方法です。
---

中国側の居民戸口簿は
ざっくり言うと、現地の公安局に
日本で結婚したことを届け出る
ことでステータスが変更されます。

この届け出の際には、
結婚したことを証明する文書
が必要なのですが、
文書が国をまたぐ際には、
その文書自体の「信頼性」も
示さなくてはなりません。

そう、ここが厄介なところで、
この「信頼性」の確保のために、
やることが一気に増えるのです!

私たちはまず、中国に渡る前に
日本側で以下を行いました。

1)婚姻届受理証明書取得
・日本で結婚したことを証明する文書
・A4タイプの発行手数料が安いやつ
・役所で発行申請、即日取得
※婚姻届受理後はいつでも取得可能

2)外務省認証
・婚姻届受理証明書に対する認証
・外務省認証窓口で申請、翌日取得

婚姻届受理証明書は、役所の所長の
公印が押されています。
外務省の認証とは、この公印が正式
なものであることを日本国として
認める
手続きのようです。
モノとしては、婚姻届受理証明書の
原本に、外務省の認証印が押されて
返ってきました。

3)中国大使館認証
・2)の婚姻届受理証明書に対する認証
・ビザサービスセンターで申請、翌日取得
・認証手数料¥5,160

外務省で認証された文書を、さらに
中国大使館で認証を行います。
この意味は、2)で押された外務省
の認証印が正式なものであることを
中国大使館が認める
ことのようです。
モノとしては、婚姻届受理証明書の
原本のに、大使館の認証ラベルが
貼付
されて返ってきました。

実際にやってみて分かったことは、
・申請窓口は大使館(元麻生)ではなく、
 ビザサービスセンター(虎ノ門)
・手数料が意外とかかる
です。


さあこれで、
日本で結婚したことを証明する文書
(=婚姻届受理証明書)を
中国でも通用するモノに昇級させた
(+外務省認証+中国大使館認証)
ことになります。

この文書を、中国側現地の公安局に
提示すれば、きっとうまくいく…

はずでした…。

---

結果から言うと、現地公安局では
書類不足で受け付けられませんでした。

そう、婚姻届受理証明書は日本語。
現地では中国語への翻訳が求めらた
のです。

…いや、翻訳が必要な場合あることは
事前に調査済みでしたが、その要否は
中国の場所によって異なるとのことで、
今回は一か八か、翻訳文書は付けずに
トライしたのです。

しょうがないなー、それじゃあ…
とばかりに即日中国で福建小妹
翻訳文書を手書きで作成して
みましたが、今度は
その翻訳文書自体が正式文書として
何の証明もない状態
であるとして、あっさり却下。

そう、
今回の手続きは失敗に終わったのです。


---

失意のままに日本に帰国。。。
(…ってそれ程深刻ではありませんが)

その後、
日本で再度調査を進めた結果、
手続きを完遂させるのためには
以下の書類が必要との見解に
至りました。
※あくまで私の見解です

1)婚姻届受理証明書(原本)
・外務省と大使館で認証
・過去3か月以内の発行のもの
(ここまではできていた)

2)戸籍謄本(原本)
・1)の補足的な資料
・これも外務省と大使館で認証
・過去3か月以内の発行のもの

3)翻訳文書
・1)2)それぞれの中国語訳文書
・原本とは別に作成

この翻訳文書について調べたところ、
それぞれの中国語訳文書は、
公文書」である原本と違って
私文書」にあたるらしく、
私文書を中国で使用する場合、
事前に日本側で
公証役場で認証
法務局で認証
・外務省で認証
・駐日中国大使館で認証
というプロセスを踏む必要があり
そうです。

なお、手続きの費用として、特に
公証役場での認証にはそれなりの
手数料がかかることも判明。
・私文書の公証¥11,000
・外国語である場合はプラス¥6,000

うぃ…す

と言うことは…費用面でみると、
既に中国大使館での婚姻届受理証明書
の認証に¥5,160かかっているところ、
さらに、
・戸籍謄本の原本に対する
 中国大使館認証+¥5,160
・婚姻届受理証明書の翻訳に対する
 公証役場認証+¥17,000
 中国大使館認証+¥51,60
・戸籍謄本の翻訳に対する
 公証役場認証+¥17,000
 中国大使館認証+¥51,60
が必要!…なの!?
追加費用合計:¥49,480
(もはや原本取得にかかる役所での
数百円は無視しちゃう世界に…)

既に婚姻届受理証明書の大使館認証に
5千円以上かかっていて勿体ないから
文書の有効期限の3か月以内にリベンジ
しようと思っていたのですが、ここから
さらにその10倍近くかかるなんて…
(しかもそれで成功する保証もない)

…ポキッ
(心が折れた音)

いや…あのさーあ、
そもそも、中国側の居民なんちゃらを
変更しない時のリスクは何なのさ…
(開き直り&やさぐれ)

てことで、中国側の居民戸口簿を未婚
のままにしておいた場合にどのような
不都合が発生するかを、行政書士に
軽く探りを入れてみたところ、
「結婚後2人が日本内で暮らす上では
特に不都合あるというのを聞いたことは
ない」
とのこと。

…んじゃあ、
少なくとも緊急でやる必要はないのかな。
(既に戦意喪失)

確かに、中国国内では「事実と異なる
記録のままですので、相続など家系に
関わる手続き事が発生した際には
何らか不都合が出るかも知れませんね。

---

そんなわけで、私たちの間では
この手続きは一旦保留となっております。
もちろん、チャンスを狙って手続きを
完了させたい考えです。

φ(.. )

関連記事:
中国人女性との結婚にあたって私がやったこと

jiehunlist_new_chi
中国人女性との結婚にあたり
日本側での一連の手続きと
イベントを終えた後、
私たちは嫁の出身地である
中国福建省に渡りました。
※日本側のことは過去記事で!

★★★
この工程ででやったことは
大きく以下の2つ。

①結婚の宴を催す
②中国側の戸籍を変更する

今回はまず①をご紹介します。

なお、私たちは中国側では
日本の挙式に相当するような
儀式的なものは行っていません。
なので本記事は手続きというより
中国のとある村で行われた結婚の
宴の様子をご紹介するものです。
まったりご覧いただければと。

---

3月下旬、中国福建省は古田県。
日中の気温は20度前半、桃の花が
見ごろと迎えた心地よい季節。
201804261
(桃の花が見ごろ)

予想を超えた規模で行われた
婚約パーティからちょうど1年。
結婚の宴のために再度嫁の故郷を
訪れた私は期待と不安が半分ずつ。
※婚約パーティの様子は過去記事で!
(→中国の『訂婚』パーティ)

宴の当日、
福建小妹(嫁)は実家から少し離れた
メイクのお店で化粧&ドレスアップ。
私は普通のスーツに金のネックレス
といった軽めな扮装。

今回の宴は、嫁の実家で開催される
ということで、メイクのお店から
実家まで結婚用に派手にデコられた
車で移動です。
201804262
(結婚用にデコられた車)

なんと、
伴走する車は、火のついた爆竹を
窓から放り投げながら街中を激走。
いやいや、爆風が対向車や歩行者
にかかってるし…^^;
…さあ、
それっぽくなってまいりました!

実家の周りには、すでに多くの
人が集まっており、その中を新郎
新婦がお披露目的にゆっくりと
歩きながら実家の寝室へ。

寝室のベッドはそれ用に飾り付け
されておりました。
201804267
(それ用に飾り付けされたベッド)

新郎新婦はまずベッドに腰かけて
玉子スープをいただく。
玉子スープは、子宝に恵まれるよう
にとの願いから新郎新婦が食べる
風習とのこと。ふーん。

その後は、
新婦の友人が部屋になだれ込んで
ハイテンションで談笑。
これが噂に聞いた「闹新房」か。
文字通りにぎやかでおめでたい
雰囲気が高まります。

そして昼12:00、宴の始まりです。
例の通り爆竹が大音量で響き渡り
新郎新婦は、衣装を中国っぽい赤い
やつに着替えて、宴の会場へ。
201804264
(中国っぽい赤いやつ)

会場はなんと、実家とその隣の家、
そして向かいの家の3会場!
それぞれ10人掛けの円卓が4卓ずつ。

その宴は新郎新婦の登場を待たずに
既に始まっており、料理も実家の
お庭の特設キッチンからどんどん
運び込まれています。

日本の披露宴のように、乾杯の挨拶
や来賓のスピーチなどはなく、
途中からきた客人も着席と同時に
ダイレクトに食事開始。
…お、おぅ、これはこれでいいぞ!

そんな感じで、
新郎新婦は特にいじられることもなく
1つの円卓に参加。
次々に運び込まれる大皿料理も、
皆すごい勢いで消化していきます。
「遠慮」とか「ご歓談」なんて
していたら食いっぱぐれます。

宴の終盤では、新郎新婦とその家族が
全ての客人の円卓を廻りながら挨拶、
乾杯しなが红包を頂きました。
201804265
(客人に挨拶&乾杯)

客人は皆さん、村の娘を奪っていく
日本人に対して、言葉が通じない
ながらとても親切に接してくれて、
とても暖かな気持ちになりました。


宴は13:00の爆竹(終了の合図)で
あっさりお開き。
客人は特に居座ることもなく、
料理はしっかり「打包」して
さーとお帰りになりました。

客人はおおよそ120名と、規模、
方式、帰り際の速やかさ(^^;
共に1年前の婚約パーティと
ほとんど同じ展開でした。

疾風怒濤の宴を終えて、
私は思いました。
なるほど、「結婚の宴」の正体は
ハイペース&超効率的な食事会だ。
(…あくまで私の感想)

そんな宴はその1回だけでなく、
その夜と次の日の夜の合計3回
微妙に客人が入れ替わって開催
されました。
(…ヘロヘロで日本へ帰国)

---

さて、宴はそんな感じでしたが、
結婚に関連して中国側で行うべき
手続きがまだ残っています。

次回は、
国際結婚の手続きにおいて
最後にして最大の難関、
嫁の中国側の戸籍変更について
取り上げます。

φ(.. )
関連記事:
中国人女性との結婚にあたって私がやったこと

↑このページのトップヘ